私の母は、かわいい。
54歳になるが、チャーミングでかわいいお母さんだ。
突然小躍りをしたり、へんなタイミングでこけたり、
いわゆる天然と言っていいのかもしれない。
天然ぶりはもちろん、友達に写真を見せてもだいたいの人はかわいいという。
(ほらかわいい)
去年、一眼レフを買ってから、よく母を被写体にして外で写真を撮りに行った。
だがその理由はかわいいからではない。
撮影のとき無茶を聞いてくれるからだ。
あと、かわいいとかわいいとゴリ押ししたのに申し訳ないが、
顔は撮ってない。
私はかねてより、お面や仮面に興味があった。
そしていつしかその根本的な概念にある「表すと同時に隠すという矛盾」を
突き止めたいと思うようになった。だから、顔を映すということはしていない。
それは私のアイデンテティに関わるのである。
ということで、以下は母をモデルにして撮った写真をいくつか並べておきたい。
久しぶりに改めて見返すと、大変にいい母を持ったと感心した。
(これはもう、布の下のくたびれた顔が浮かび上がった決定的な写真)