私は、ちょっと時間ができると、ふらふらとあてもなく歩いてしまう。
つまり散歩好きなのだ。
散歩の醍醐味は、目に留まったものを、立ち止まってちょちょっと見に行けるところにある。
私が思うに、散歩好きの人の大半は「街にあるヘンなもの好き」なのだ。
そして、私の知ってる散歩好きの人々は、ヘンなもの同様程度に、ヘンだ。
先週は微妙な時間ができたので、代々木上原・松濤・神泉・円山町エリアを散歩してきた。
特に松涛・円山町エリアは、日本で唯一高級住宅街とラブホテル街が隣接する場所だ。
人生の栄光と転落を絵にかいたような街を、写真とともに振り返る。
(なんかデジャヴなキャラクター。誰かご存じありませんか?)
(アパートに恵比寿。ここは富ヶ谷)
(途中で自分が履いている靴がやけに気持ち悪いことに気づく)
代々木公園駅を降りて、富ヶ谷、神山町、松涛を抜ける。
松涛はおなじみの高級住宅地だが、最初こそ「でかい家だ!すごい!」と思ったものの
歩いてるうちにどの家も全部同じに見えてきた。
途中「このお宅知りませんか?」とサザエさん劇中さながらに声をかけられたが、
「私は松涛の人間じゃありませんごめんなさいすいません」といって去った。
セレブからは程遠いやっぱりぱんつだ。
(円山町の高低差がすごい)
東急百貨店前どおりを抜けて、円山町に入った。
ちょっといくと道玄坂に続くこの町は、渋谷でも有名なラブホテル街。
5年ほど前に一世を風靡した某占い師のスナックも、この町にある。
いやしかし、この町、本当に高低差がすごい。階段上ったり降りたりで、
迷路のような町だ。途中サラリーマン風のおじさんと6,7回すれ違った。
あんたも迷ってるのか、と話しかけそうになった。
(東電OL殺人事件の現場)
円山町を歩いているうちに、井の頭線・神泉駅が見えてきた。
そしてその横には、かつて世間を騒がせ、
犯人とされていたネパール人が冤罪で釈放された話題が新しい、
東電OL殺人事件の現場が禍禍(まがまが)しく残っていたのだった。
(遺体が発見された101号室)
私はこの事件を、桐野夏生氏著書「グロテスク」で知った。
昼はエリートOL、夜は娼婦という堕落の道をたどった理由は、
いかなる者にもわからないし、わかりえないことだと思う。
いずれにせよ、ゴビンダさんを犯人に仕立て上げたせいで、
真の犯人が捕まらなかったのは、非常に残念なことである。
このあと、東電OL殺人事件の現場を見た興奮で、円山町で時間をつぶしすぎた。
歩き疲れたせいか、ほとんど写真も撮っていない。
大急ぎで代々木上原まで戻らなくてはと、せこせこと進んでいるうちに、
しまっていたカメラを思わず取り出さざるを得ないものが、目の前に現れた。
(描いてあるカップルの絵の様子がおかしい)
ちょっと待て、これは近隣の小学生や中学生が描いたものだろう。
春の小川、それはわかる。
なぜカップルがいかがわしい雰囲気なのだ。
渋谷区に住む小中学生にとって、カップルとはこういうものなのか。
描かれてしまったものは仕方がないが、私は誓う。
お金持ちと結婚して家庭を持っても、渋谷には住まないと。
小林ラジオ商会のシャッターに描かれたあのキャラは「光速エスパー」ですね。松本零士版とあさのりじ版の2種類が存在します。
詳しくは、こちら → http://ohshima.net/uchuu/esper.html
ちなみに、小林ラジオ商会の辺りは私も時々散歩で通ります。