7種類の魚卵を手巻き寿司に包み、トーナメント形式で食べ比べる。
(いま一度、ルールとトーナメントの確認)
勝敗は5名で行う多数決で、勝ち進んだもの同士の戦いでも、もう一度食さねばならない。
あと、最も重要ことを言い忘れていた。
1位を決めたところで、どうこうするわけではない。
第1回戦「とびっこ VS 明太子」
さあ記念すべき第1戦。
寿司業界ではいくらの補欠として随一の存在感を放つ「とびっこ」と
おにぎり・居酒屋業界で絶大な支持と人気を誇る「明太子」の対決。
いわば、万年補欠とエース4番打者との戦いだ。
(思えば、魚卵とビールって最高の痛風アイテムだ)
家で手巻きするのにも、外で寿司を食うのにも、とびっこは絶対に食べないものだ。
スーパーで買った安い寿司に入っていたのを「いくらがよかったなー」と思いつつ
仕方なく食べる程度のとびっこ。
これは、補欠の彼にとって、とてつもなく後ろ向きな選ばれ方でしかない。
しかし改めて食べてみるとどうだろう、粒がしっかりしていておいしいのである。
味わって食べる、というものではなく、食感を楽しむタイプの魚卵なのだ。
(想像よりうまいじゃないですか)
ここで4番エース、明太子の登場だ。
ポテトやチーズとの相性が抜群の明太子は、近年のチェーン居酒屋ブームで人気がうなぎ登り。
キングオブつまみギョランといっても過言ではない。
おにぎりの具としても支持者の多い明太子だが、手巻き寿司はあまり見たことがない。
ポピュラーであってもよさそうだし、誰でも思いつくはずなのだが。
しかしその理由は、食べてすぐわかった。
酢飯とあわないのだ。
(寿司ではキミの良さを生かしきれない)
寿司、という監督のもとでは、明太子は絶対的エースの力を発揮しきれない。
監督が放つ愛のムチ(酢飯)が、明太子の主張の強いプライドとぶつかり合い、
サインを無視した不注意による右膝靭帯損傷。
ひいては2軍降格、というかたちになってしまった。
(3対2といい勝負で万年補欠のとびっこが勝利)
まさか万年補欠が絶対エースを下すとは夢にも思わなかった。
やはり、自身のよさがいかせる環境でないと、どんなエースでも力を発揮できない。
職場環境が合わない人には、この明太子の話を例に、ぜひ転職をすすめたいと思った。
第2回戦「ししゃも VS 数の子」
ししゃもを手巻き寿司にするのか、とお思いの方もいらっしゃるだろう。
しかしそれは愚問だ。ししゃもが魚卵である以上、巻かせていただく。
巻かせていただこうじゃないか。
(はみでちゃった)
どうあがいても、手巻きからはみでる。
天むすと同じベクトルにいるとは思うのだが、いかんせん下品ではある。
下品ではあるが、朝ごはんの帝王「米・海苔・ししゃも」の組み合わせだ。
うまくないわけがない。
(バター醤油で焼いたのが功を奏した)
つづいて、キング・オブ・縁起物・ギョラン、数の子の出番だ。
数の子といえば、年末年始のスーパーに突如現れる「謎の物体」として親しまれる。
というのは冗談にしても、目にする機会こそ多いが日常にはなじまない魚卵ではある。
(そうだ、数の子って寿司あったわ)
数の子寿司というものをわたしは食べたことがなかった。
だって、数の子ってウルトラマンに出てくる怪獣みたいなビジュアルじゃないですか。
どうにも食欲をそそらない色合いだし、正直あまり好きじゃない魚卵だったのだ。
(あれ、すごいおいしい)
5人中5人が数の子寿司を食べたことがないという異例の状態の中、
皆は数の子寿司を頬張りながら口をそろえた。
「わたしの知ってる数の子じゃない」
そう、数の子は寿司において力を発揮する魚卵だったのである。
(勝敗はもはや予想がつかない)
今回もまた、想定の範囲外のところで勝敗が決まってしまった。
かといって、ししゃもが勝つ気もしていなかったのだが。
しかし想像を超えるいう点では、どちらも大いに健闘した試合であった。
個人的にししゃもは家でまたやりたい。(おもにビジュアルを楽しみたい)
第3回戦「からすみ VS キャビア」
トーナメント表をよく見ている人はすでにお分かりかと思うが、
からすみとキャビアは高級食材なので、クラッカーでの参加を認めた。
(ズルくてすいません)
それでは意味がない、と仰る気持ちもわかる。
でも言い訳させていただきたい。きちんと試した末の結果だ。タメスエだ。
手巻きでは判断できないくらいまずかったので、ライドオンクラッカーがベストだと判断した。
(キャビア:20g 3,800円、からすみ:30g 1,500円)
平民であるわれわれの人生において、高級魚卵というものをじっくりと食べる機会がなかった。
なので、まず平民らしい率直な感想を述べたいと思う。
塩分が多くてのどが渇く。
どちらもクセのある魚卵、ワインと合うというのは事実なのだろう。
ただ、値段相応のおいしさかというと、これまた平民には理解しがたい部分はある。
なので、これまでに4つの魚卵を食べた塩辛いお口の中で判断する場合、
どちらがあまり辛くないか、ということのみで勝敗を分けることとなる。
平民だし。
(からすみ派は頭、キャビア派はおっぱいを触る。ちなみにずっとこんな感じで多数決とってた)
わたしだけキャビアに対して値段を考慮した判定をしてしまった。
高いからうまくないわけがない、と。
ああ認めよう、わたしは貧乏人だ。
キャビアは確かに塩辛かった、認める。認めるので、ビール飲んでいいですか。
(トーナメントを日記でたどるのは面倒だということに気づき始めた)
さて、次はいよいよ準決勝戦だ。
すでに口がだいぶ辛くなってきているのは内緒にしておいて、
手巻き魚卵の大本命「いくら」も登場する、次へ
どうでもいいけど、3部構成になると思ってなかった。長いな。飽きたよな。