夫の出張中に羽を伸ばしてみた

(データ整理していたら出てきた2年くらい前の記事です。マイナビウーマンから依頼を受け執筆しましたが、そういえば掲載がされていなかったのですっかり忘れておりました。久々に読んでみたらもったいないくらいには体を張っていたのと、あとお盆も近いので、ブログに掲載して供養いたします)

 

結婚すると感じる、独身時代との違い。それは、決定的に「自分の時間がなくなる」ということだ。
女性の場合、専業主婦であれば自分の時間はまあまあ作れるであろうが、今を生きる「共働き派」の女性は特に、自分の時間を持つことはなかなか難しい。私も結婚して2年になるが、1人暮らしをしていたときに比べると圧倒的に自分の時間が減っている。仕事を終え、買い物をして帰宅し、帰ったらすぐごはんの支度をし、そして支度をしている間に夫が帰ってくる。どうだ、私も振り返ってみるとほとんど自分の自由な時間はないではないか。
夫が見ないSFのDVDをまとめて借りてきてポテチ食べながら鑑賞したり、仕事終わりにザギンでグッピンショ(銀座でショッピング)してみたり、独身時代には当たり前にできていたことが、今となってはやや遠慮してしまうようになった。不思議なものである。

そんなことを考えていたある日、突然夫が「明日から2日間出張になっちゃった」と言い出した。え、マジ? 久々に私、一人になれるの? 夕飯の支度をしないでマクドナルドとか、食べていいの?

■とにかく羽を伸ばしたい
夫が出張でいない。
冷静に考えてみよう。夫が出張でいないということは、妻である私は、その間自由に羽を伸ばすことが許される。先にも述べたが、夕飯にマクドナルドとか吉牛とかを食べることもできるのだ。でも、羽を伸ばすのであれば、せっかくだからおもいっきりやりたい。今回夫が出張するのは土・日の2日間なので、この休みの間にめいっぱい羽を伸ばすとしたら、やっぱりそれは……

1<実家に帰ってきました>

 

これだ。土日に夫がいないとなると、遠出をするのが一番いい。でもあまりお金もかけたくないので(主婦の思考だ)ごはんがおいしい実家に帰るのがベストなのである。実際に羽も身にまとい、まるで、まるで私は自由の象徴だ。私はどこまででも飛んでいける、自由な主婦であり、自由な鳥なのである。

 

2
<じゆう>

 

自由。自由とは、心のままであることだ。他者などの外的束縛がない、まさしく大空を悠々と羽ばたく鳥。
しかし自由とは、人間が生み出した概念だ。きっと鳥たちは、自由という思想自体とらわれない、真の意味での自由な海で、生きる舵を取っているのだろう。つまり私たちが想像している以上に、彼らは、ずっとはるかに自由なのだ。

 

3
<服は「G.U.」ではない>

 

4
<畑にいたおじいちゃんに草むしりを頼まれた>

 

自由、自由と連発しているものの、私は決して夫との結婚生活に嫌気がさしたわけではない。こう見えても新婚で、夫は仕事が忙しくなければごはんの支度もしてくれるし、雨が降ると職場までクルマで迎えに来てくれたりすることもある。私の負担が大きかったことなど、今まで一度もないのである。
だがしかし、それとこれとは話が別だ。羽を伸ばす、ということ。それは、家事の負担を減らしてもらうことでも優しくしてもらうことでもなく、私というひとりの主婦が、自由という名の物語の主人公になるということなのだ。だからもう、誰にも止められない。私の目の前に広がるのは、コスモ。果てのない広い小宇宙だけなのだから。

 

5
<なつかしいなー、竹馬>

 

6
<なぜか飛びそうな体制になった>

 

7
<結構必死である>

 

8
<何をしているのかわからない>

 

ここまでに雄大に、はち切れんばかりに羽を伸ばしてみて、少し気づいたことがある。自由の中にあるものは、いったい何だったのか。私があれほど手にしたかった自由は、主婦である自分からの解放は、果たして私が本当に望んでいたものだったのだろうか。

 

9
<田舎だ>

 

10
<これもちょっと飛びそうである>

 

不思議だ。不思議なことに、とても自分の家に帰りたい。
私という妻は、私の夫とともにあり、夫のためにごはんを作って、一緒に食べて、たまにケンカもして、それでも一緒に、当たり前に暮らす。そんな日々が好きだったのだ。その中に「自分の時間」がないことなど、どうでもいい。私にとって「自分の時間」とは、「夫とともに生きていく時間」なのだ。私はなんてバカだったんだろう。背中の羽を大きく羽ばたかせて、さあ帰ろう。夫が帰ってくる前に、夕飯の支度をして。

 

11
<ごめんね。夫>

12
<いま、会いにいきます。(チャリだけど)>

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